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松林要樹(Yoju Matsubayashi)
ドキュメンタリー映画監督

松林要樹は、第二次世界大戦後にタイに残った日本兵たちを追ったドキュメンタリー『花と兵隊』(2009年)で監督デビューしました。2013年の作品『祭の馬』は東京フィルメックスのコンペティション部門に選出され、ドバイ国際映画祭のアジア・アフリカ・ドキュメンタリー部門でグランプリを受賞しました。

2016年には文化庁の「新進芸術家海外研修制度」によりブラジル・サンパウロに滞在。著書に『馬喰(ばくろう)』。

1979年、福岡県大川市生まれ。現在は沖縄県在住。ドキュメンタリー作家として、主にアジアを中心に30か国以上でフィールドワークを行い、国内外の新聞・雑誌への寄稿や、映画・テレビドキュメンタリーの制作をしています。

1998年、福岡大学在学中にアジア放浪の旅を始め、2001年に日本映画学校(現・日本映画大学)に入学、2004年卒業。
同年、NGO「ペシャワール会」に取材を申し込むも、アフガニスタンからの帰国を余儀なくされ、撮影はできなかった。

2005年には、フリーランスの映像ジャーナリスト・遠藤盛章に師事し、スマトラ沖地震後のインドネシア・アチェでのドキュメンタリー撮影に同行。同年、アフガニスタン・カブールでの選挙取材を行い、その様子はフジテレビ『ニュースJAPAN』にて4回にわたり放送されました。
2006年からは、タイとミャンマー国境付近に暮らす元日本兵の取材を始め、それが『花と兵隊』(2009年)へと結実。
2011年には、東日本大震災後の南相馬を記録した『相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶』を発表。
山形、香港、エディンバラなどの国際映画祭で上映され、フランスのジャン・ルーシュ国際映画祭では「映像人類学と持続可能な開発賞」を受賞しました。
2013年には、震災後に取り残された馬たちを追った『祭の馬』を発表。
アムステルダムのIDFAや東京フィルメックスをはじめ、世界20か所以上の映画祭で上映され、受賞・高い評価を得ました。

2014年には『祭の馬』が南米最大のドキュメンタリー映画祭に招待され、約半年間サンパウロに滞在。
2015年には『Reflection』を発表し、バンクーバー国際映画祭にて上映。
再び文化庁の制度により、サンパウロに滞在しました。

2017年以降は沖縄を拠点に、中編映像や報道番組の制作に取り組んでいます。
2019年、NHK BS1スペシャル『語られなかった強制退去 』(48分)を撮影・演出。
第二次戦時中に起きた在ブラジル日本人の強制退去事件に取り組みました。
松林画この事件に触れる前はブラジルに来たジャーナリストや特派員の
だれも触れなかった出来事であり、ブラジルの日系社会に大きなインパクトを与えた。

2020年にはそのテーマを長編映画『オキナワ サントス』として再構成(監督・撮影・編集:松林)。同作は東京フィルメックスのコンペティション部門でプレミア上映されました。
2024年7月25日、日系人強制退去事件についてブラジル政府が謝罪した。

玄功社について
2011年より、松林のドキュメンタリー作品は「三畳間映画」(Sanjo-ma Films)という名義で制作されてきましたが、
三畳間に住まなくなったことをきっかけに、2021年より「玄功社」という新たな名称を使用しています。映画およびテレビのドキュメンタリー作品を主に制作しています。